秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
「まぁだけどこうしてこっちに戻ってきたし、向こうでも友達も沢山できたし楽しかったけどな!」
光輝は笑ってサツキに言った。
だがやっぱり二人きりな事に限界が来て、俺はサツキ達が居るキッチンにやって来た。
「俺も手伝う!」
「誠が居なくても俺が居るからお前は用無しだ!」
「またすぐそうやって言うから喧嘩になるでしょ!じゃあ誠には玉ねぎの皮を手で剥いてもらっていいかな?」
「ああ…」
喧嘩越しに光輝が言った言葉にイラッとしたが、上手くサツキが間に入ってきて、俺はサツキから玉ねぎを受け取った。
だが俺は玉ねぎをじっと見つめて持ってるしか出来なくて、どうやって剥くのかさえもわからなかった。
自分から手伝うとか言っておきながらダセェ…
「誠?どうしたの?」
「皮ってどうやって剥くんだ?」
俺の言った発言にサツキは一瞬、驚いていた。
そりゃそうだよな…光輝だって出来る事が俺には出来ないんだし。
「お前…今のってボケじゃなく本気で言ってんのか?玉ねぎの皮も剥けないなんてマジか?
貸せよ、俺がサツキと一緒にするから誠は向こうに座ってたら?」
「うるせぇよ!」
本当にイライラする奴だな!
「じゃあ私が教えるから一緒にしよう!」
そう言ってサツキはまた俺と光輝の間に入り、サツキは玉ねぎを手に持って剥き方を俺に教えた。
俺は同じように真似をして、玉ねぎの皮を手で剥いた。
案外、楽しいもんだな…。
もし圭介が居たら大声だして笑いそうだけど。
野菜の皮を剥き終えると、後はサツキがすると言って俺達はキッチンからリビングに向った。
ちょうど優さんも風呂から上がり、俺達はサツキがカレーを作り終わるまで、優さんが持っているプラモデルを三人で作ることにした。