秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
俺達がプラモデルを作り終わったと同時に、サツキが俺達に声を掛けた。
「出来たから皆で食べよ!」
俺達は返事をして席に座った。
「頂きます!」皆でそう言って食べた。
「旨いな!流石俺の妹だ!」と優さんは言った。
「まぁまぁ旨いな?」と続けて光輝が言う。
そして一口食べた俺は言葉がでなかった。
「どうした誠?ってか何でそんな泣きそうな顔をしてんだっ!?」
俺は優さんに掛けられた声でハッとした。
泣きそうな顔してたのか俺…。
「こんな…旨いカレーを食べたのが初めてで。
俺の両親は仕事ばっかりで家に居る事の方が少なかったし、母親の手料理とか食べた事がなくて、家の事はお手伝いがしてくれてたし、料理も確かに見た目とか味は美味しいのかもしれないけど、家庭の味を知らない俺は、このカレーが凄く美味しくて…。」
家に居る料理人の料理はプロだから味は旨いと思う。
だがサツキの作ったカレーは温かみのある優しい味がした。
すると優さんは突然言った。
「誠…よしっ!週末は誠さえよければ俺んちに飯を喰いにこいよ?
どうせ土日はサツキと一緒に居るだろ?
俺は週末は伊織と出かけたり、帰ってきても帰りが遅いか、伊織の家に泊まったりとかしてるからサツキも一人で寂しいだろうしそうしろよ?」
「はい…」
優さんの優しさが嬉しかった。
その後はサツキはしなかったが、俺達は皆でカレーのおかわりを食べた。
皆が食べ終わると優さんは光輝に言った。
「そう言えば光輝は高校は何処に行くんだ?」
「俺?面倒くせえから高校は通信制にして、バイトするよ!」
「おじさんは納得してんのか?」
「ああ!高校を卒業してくれるなら通信制でもいいと言ってくれたんだ。」
「そっか!バイトしながら学校も大変かもしれねぇけど頑張れよ?」
「うん!それにお金貯めて、バイクの免許も取りたいしね!」
自分のやりたいように出来る光輝が少し羨ましいとも思った。