秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
カレーを食べた後は、優さんが部屋から族に居た時の写真を持ってきた。
「誠、懐かしいだろ?」
「はい!てかやっぱり優さんは特攻服似合いますね!」
「お前も着てただろ?」
「着てましたけど優さんみたいに似合わないですよ!」
「そうか?」
そう言った優さんは照れていた。
だけど嘘なんかじゃなくて俺は優さんに憧れていた。
喧嘩も強くて、皆を纏めていて…。
すると光輝は突然こんな事を言い出した。
「優くんってまだ特攻服とか持ってんの?」
「何だか捨てられなくてまだあるぞ?」
「じゃあ俺に着させてよ?」
「ははっ!いいぞ!」
そう言って優さんは部屋から特攻服を持ってきた。
それを光輝はその場で着替えた。
「おおっ!中々、似あってんな!」
「一回でいいから着たかったんだよね!
俺は暴走族とかには興味なかったけど、特攻服は一回は着てみたいと思ってたから!」
そう言った光輝を優さんは写メを何枚か撮っていた。
もう着て満足したのか光輝は特攻服を脱ぐと、自分の服に着替えた。
「しかし光輝って意外と筋肉あるんだな?」
「意外ととか余計だって!」
「じゃあ三人て腕相撲しようぜ!まぁ俺は負ける事はないけどな!」
そう言って三人で腕相撲をする事になった。
優さんの言ったように、俺も光輝も優さんには勝てなかった。
「優くん強いな!」
「当たり前だろ?じゃあ次はお前ら二人でしてみろよ?」
そう優さんに言われて俺達は腕相撲をする事にした。
光輝と手を握ると、握る手にお互いが力をグッと入れた。
優さんの掛け声で俺達は一気に力を入れたが、光輝も案外強かった。
だが…
「誠の勝ち!」
「くっそ…」
「まぁ強い方じゃねぇの?でもまだまだだな?」
「うるせぇ!」
悔しそうな光輝の姿に俺は満足していた。
それから少しするとリビングにパジャマ姿でサツキがやってきた。
時計を見ると夜の八時だった。
「じゃあ俺はそろそろ帰ります!」
「もう帰るのか?」
「はい!明日も朝が早いんで!
じゃあサツキ、明日は朝に迎えに行くから勝手に一人で行くなよ?」
「うん」
そう言って俺は帰っていった。