秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
「学校の奴らにバレないように裏道を通ってきた。バイクは今まで通り、圭介の家に置いて、ここから学校まで歩くからな?
一応、少し離れてあるくからサツキは先に行け!」
「あっ、学校に行く前に聞きたかったけど、もう梅雨入りだし、明日から雨が降るみたいだけどバイクで濡れないかな?」
「マジか…仕方ねぇ!明日からは雨の日だけ車で迎えに行く!だからもう少し早めに迎えに行くから!車は圭介の家には置けないしな。」
「えっ…誠って車の運転できるの!?
だ、ダメだよ!無免許運転なんてっ!」
「誰が無免許って言ったんだよ!」
「えっ?」
「確かにバイクは無免許で乗ってた時期はあったけど、ちゃんと中免の免許も取りに行って、俺は四月生まれだから車の教習を受けに行って、試験は受けなくても中免を取ったときに受けてるし、学校には言ってないだけで免許は持ってる!」
「じゃあ車もあるの?」
「ああ…親が誕生日祝で車を買ってくれた。
たまに乗るけど、バイクの方が細い道を走れるし楽なんだよな。」
「そうなんだ!あっ、コレ良かったら食べて!誠の弁当作ったからさ!」
そう言って誠に弁当を渡して私は先に歩き出した。
お母さんがいた時はお兄ちゃんと私のお弁当はお母さんが作ってくれてたから、お母さんがお父さんの所に行ってからは、お兄ちゃんと私の分を作るだけだったし、お兄ちゃん以外の誰かに弁当を作るなんて初めてだ。
何だか照れくさくて私は誠の顔を見れなかった。
誠と距離を取りながら、私は学校に着いて自分の教室に向った。