秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜




そんな時


「ただいま!どうしたサツキ?
頭なんか抱えちまって?」


「お、お帰り!」


お兄ちゃんが帰ってきたのも気づかなかった。


「取り敢えず風呂に入ってくるな!」


「うん」


私も料理に集中して、お兄ちゃんがお風呂から上がるとテーブルに料理を並べた。


「「いただきます!」」


二人でそう言ってご飯を食べだした。


「なぁサツキ?何か悩みでもあんのか?」


「えっ?」


「お前があんな風に悩んでるの初めて見たからさ!」


そんなに私、考え込んでたのかな?
確かにこんな風に悩んだのは初めてかもしれない。


「お兄ちゃんは伊織ちゃんと居て好きだなって思う時ってどんな時?」


「はっ?何だその質問?そうだな、伊織といると落ち着くし、気が強いけど弱い所があるから守りたいって思うし、好きと思う時ってか好きだから一緒に居たいって思うかな!
そりゃたまには可愛い事いわれたらやっぱ好きだなって思う。
てか誠と何かあったのか?」


「そんなんじゃないよ!ほ、ほら私は誠と付き合うのが初めてだし、お兄ちゃんは伊織ちゃんを好きだって思うときはどうなのかなぁって気になっただけだから!」


どうにか誤魔化したけど、何となくお兄ちゃんが言った事は理解が出来た気がする。


「ふーん!でも誠ならお前を大事にしてくれるのは俺が保証するから心配すんな!
それに誠がサツキを見る目は優しい目をしてるからな!
それよりサツキ、テストはどうだったんだ?
誠に教えてもらったんだろ?」


「うん!良かったよ!
まだ返ってきてないテストもあるけど八十点以上だった。」


「良かったな!週末は誠に美味しいものでも食べさせてやれよ?」


「そうだね!」


誠のおかげでテストの点数は良かったし、お礼に美味しいものを作ってあげよう。


明日でも好きな食べ物でも聞いてみようかな。


それにお兄ちゃんが誠が私を見る目が優しいと言っていたけど、最初の頃に比べたら少しは笑うようになったけど、怒ると怖いんだけどな…




< 112 / 182 >

この作品をシェア

pagetop