秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
俺はどうにか気持ちを落ち着かせて用意をして、時間になると家を出た。
丁度、朝の七時半。
俺はサツキの家に着いた。
玄関のインターフォンを押すと足音がして、玄関の扉が開くとサツキは鞄を持って出てきた。
「はよ!今日は起きてるな?」
「学校だし起きてます!たまに寝坊しそうになりますけど…」
「知ってる!じゃあ行くぞ!」
そう言ってサツキと俺は一緒にバイクに乗った。
エンジンをふかしていつもと違うルートで圭介の家までバイクを走らせていく。
それにサツキはいつもと変わらない様子だったしあれから光輝とは何もなかったのかもしれない。
安心した俺は何故かスピードを出して、早めに圭介の家まで着き、圭介の家にバイクを置くと俺はサツキに言った。
「学校の奴らにバレないように裏道を通ってきた。バイクは今まで通り、圭介の家に置いて、ここから学校まで歩くからな?
一応、少し離れてあるくからサツキは先に行け!」
「あっ、学校に行く前に聞きたかったけど、もう梅雨入りだし、明日から雨が降るみたいだけどバイクで濡れないかな?」
「マジか…仕方ねぇ!明日からは雨の日だけ車で迎えに行く!だからもう少し早めに迎えに行くから!車は圭介の家には置けないしな。」
「えっ…誠って車の運転できるの!?
だ、ダメだよ!無免許運転なんてっ!」
「誰が無免許って言ったんだよ!」
「えっ?」
「確かにバイクは無免許で乗ってた時期はあったけど、ちゃんと中免の免許も取りに行って、俺は四月生まれだから車の教習を受けに行って、試験は受けなくても中免を取ったときに受けてるし、学校には言ってないだけで免許は持ってる!」
「じゃあ車もあるの?」
「ああ…親が誕生日祝で車を買ってくれた。
たまに乗るけど、バイクの方が細い道を走れるし楽なんだよな。」
「そうなんだ!あっ、コレ良かったら食べて!誠の弁当作ったからさ!」
そう言ってサツキは弁当を俺に渡して先に歩き出した。
俺は初めてこんな風に手作り弁当を貰った事に逃げるように去って言ったサツキにありがとうすら言えないくらい言葉が出ないほど嬉しかった。
確かに遠足で弁当を持って行った事があるが、それは家で雇われてる料理人が作る物で、家庭料理とは言えない豪華な弁当で、半分も食べなかった。