秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
図書室の入り口の前に着くと、本に集中しているサツキが目に入った。
たまに寝てる事もあるが今日は起きてるみたいだ。
俺は図書室の扉を開けた。
「お待たせ!」
「もうそんな時間?
あっ、誠に見せたい物があるんだ。」
そう言ったサツキは鞄を見て何やらゴソゴソしていた。
「じゃーん!頑張ったでしょ?」
サツキは俺にドヤ顔で言った。
サツキが俺に見せたのは、今日に返ってきた三枚のテストで全て八十点以上だった。
「良く頑張ったな!」
そう言った俺はサツキの頭を撫でた。
「ねぇ、誠はテストはどうだったの?」
「いつもとかわんねぇ!」
「いつもって?」
「全部百点だ!」
「ひゃ、百点!?嘘でしょ!?
百点なんて小学生の時しか取ったことないよ。やっぱ誠は凄いな!
いつか私も百点を取ってみたい。」
「じゃあ苦手な数学で百点を取れるように俺がサツキの頭に叩き込んでやるよ!」
俺は笑いながら言った。
「私には絶対に数学で百点は無理だよ!」
「そうか?サツキなら叩き込んだらいけると思うけどな?まぁ百点だからいいとかじゃなくて、公式さえ覚えたらちゃんと解けるしサツキならちゃんと覚えられるだろ!」
「そうかな?」
「ああ!それからサツキ、弁当ありがとな!」
「う、うん」
俺は少し照れながらサツキに食べた弁当箱の入った袋を手渡した。
「さっ、帰るか!」
サツキは頷いて、いつものように学校を出ると圭介の家に二人で向った。