秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜




俺はサツキの家を出ると圭介の家に行った。


「どうしたんだよ誠?」


「別に…それより今日は集会すんのか?」


「暫くは集会はしねぇ!今は情報を集めるようにしている。
潰されたチームの奴と俺らのチームの一人が友達で、狂連の全体的な人数も知りたいし、一番知りたいのは総長が誰なのかって事なんだけどな。
未だに謎なんだよ!」


「だな…人数が多ければどんなに喧嘩が強くても抑えこまれたらどうにもならねぇしな。」


本当に何を考えてんだかわかんねぇ。


「それよりサツキちゃんの兄貴が優さんってのはビックリだったな!
狂連の事が落ち着いたら優さんに俺が会いたがってるって伝えてくれよな?」


「ああ!」


暫く圭介と話した後、明日は車でサツキを迎えに行くから圭介の家から久々に歩いて帰った。


家の近くになると、前から五人の男が歩いてきていた。


「お兄さん!ちょっと金かせよ!」


一瞬、その五人の顔を見たが空き地に居た時に絡まれた奴らは居なかった。


俺はシカトしてそいつらの横を素通りした。


「待てやコラッ!」


そう言われて振り返ると一人がナイフを振りかざして俺に襲いかかってきた。


だが俺は小さい頃からあらゆる武道を習っていた為、ナイフくらいでビビらねぇ!


俺は素早く避けるとそのまま腹にパンチをくらわした。


「うっ」


「テメェ…」


そう言った残りの奴が俺に一気に襲いかかってきたが、一人に体を抑えられ、前から殴りかかってきた奴を足で蹴り倒し、抑え込まれた後ろの奴をそのまま力一杯投げ飛ばすと、残りの二人に命中した。


俺は五人の一人の髪の毛を掴むと言った。


「お前らどっかの族のチームの奴らか?」


「お前には関係ないだろ…うっ」


俺はそいつの腹を思いっきり殴った。


「で?何処の族のチームかって聞いてんだよっ!」


「ヒィィィ、き、狂連です!」


「最近は何か悪さしたり族のチームを潰したりしてるみたいだな?
お前らの総長は誰だっ!」


「し、知らないんです!自分達も最近、狂連の奴らに襲われて、そのままチームに入らされて、一人で居る奴を襲えって言われたからその通りにしてるだけで、まだ総長の顔も見た事ないです。」


見た事ないって…幹部の奴らが仕切ってるのか?


「それに…総長の命令らしく、相葉 誠って奴を見つけたら直ぐに連絡しろと言われたんです。



はっ…俺?


それに今の狂連の総長は圭介ですら知らないのに俺にわかるわけでもないし、何で俺の名前を知ってるんだ?


「もういいからお前らは帰れ!」


そう言って俺はその場を立ち去り自分の家に帰った。





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