秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
するとサツキは俺の前に立ち、光輝に言った。
「ちょっとこうちゃん!ここは私の家なのにどうして私を無視して誠だけに話しかけてんのよ!!
あっ、分かった!
また誠を連れ去ろうとしてるんでしょ?
今日はダメ!」
サツキは剥きになって光輝に言った。
何故サツキがこんなに光輝に剥きになっているのかと言うと、遡ること一ヶ月前の事だった…
週末にサツキの家で優さんとサツキの三人で夕食を食べていると、バイトが終わった光輝がサツキの家にやってきた。
「どうしたんだ光輝?そんな慌てて」
「ちょっと誠に用事があってさ!」
優さんが光輝にそう言うと俺の隣に腰掛けた。
光輝とはサツキが連れ去られたあの日以来、仲良くはなった方だと思う。
「なぁ誠!俺今、バイクの免許を取るために来週から教習に通うことにしたんだ。
俺は原付しか乗った事ないし、教習で上手く乗れるように俺に教えてくれないか?
圭介くんに電話したらバイク貸してくれるっていったし頼むよ誠!」
光輝は俺に目を輝かせながら頼んできた。
まぁ教えるのはいいんだけど…。
「いいけどいつ練習するんだ?」
「明日は日曜だし、バイトは夕方からだから朝から教えてくれよ!」
「わかった…」
「サンキュー!なんか腹減ったから俺も飯食わせてくれよサツキ!」
何だか光輝は凄くご機嫌でサツキに言った。