秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
俺は女の掴んでいた腕を離した。
「ひぃぃぃ!お、お願いです、か、顔だけは殴らないでぇぇ!!」
女は訳のわからないことを泣きながら叫んだ。
「はっ!?何言ってんだお前…。
何でお前を殴る必要があんだよ!
俺は男は殴っても女は殴らねぇよ。」
「へっ!殴られるかと思いました…」
「お前…変わった女だな…。
でもお前は俺の秘密を知った。
学校では絶対に俺の事を話すんじゃねぇぞ!」
「は、はぃぃぃ!!」
俺は普通に話してるのに何でこの女は怯えてるのかわかんねぇ。
「送ってくから家は何処だ!」
「だ、大丈夫です!一人で帰れますから!」
「これくらいの時間は質の悪い奴らが彷徨いてるかもしれないから危ないだろ!
ったくセンコーも女生徒をこんな時間まで使うなら家まで送ればいいんだよ!」
薄暗かったし、圭介がこの前に言ってたけど最近は他の族のチームがこの辺を彷徨いてるらしく、カツアゲしたり、人を殴ったりしてるらしい。
俺は面倒くせぇと思いながらも相手は女だから送っていくことにした。
女と無言で教えられた道を歩いていると、空き地の方から笑い声が聞こえた。
俺は横目で一瞬見るとそこには見るからに不良の男が五人居た。
だけど俺は関係なしにそのまま歩き続けた。
「ラブラブで羨ましいね~!
お兄さんちょっとお金貸してくんない?」
ウゼェ声が聞こえたが俺はシカトして歩いた。