秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
(もしもし?)
「あっ、ま、誠?うちのお兄ちゃんが誠に会いたいみたいで今から学校の近くのファミレスまでこれる?」
(ちょうど暇だったからいいぜ!
じゃあ今から行くわ!)
そう言って生徒会長は電話を切った。
「何だって?」
「く、来るって…」
「どんな奴かお兄ちゃんも楽しみだよ!」
だから顔が怖いってば…。
私は頼んだ料理を食べたがあまり味がしなかった。
暫くすると生徒会長がファミレスに入ってきて、私に気づくと声をかけてきた。
「サツキ」
その声に一番に反応したのはお兄ちゃんで、生徒会長を見るなり一瞬、固まった。
それは生徒会長も同じだった。
「えっ…優さん?」
「誠だよな?はっ、サツキの彼氏って誠なのか!?」
何やら二人は知り合いみたいだった。
「お兄ちゃん、誠と知り合いなの?」
「知り合いも何も、同じチームに居たし、あの頃はまだ誠は中学生だったけどな。
取り敢えず誠もこっち座れよ!」
「はい!」
そう言って生徒会長はお兄ちゃんの隣に座った。
何だか凄く嬉しそうに二人は話している。
さっきまで怖い顔をしていた筈のお兄ちゃんは生徒会長とお喋りに夢中になった。
私もこうちゃんも二人の会話に入り込む事ができなくて黙々と料理を食べた。
料理も食べ終わり、お兄ちゃんが私に言った。
「サツキ!誠なら俺は付き合いを認めるよ!
これからも誠に守ってもらえ。」
「う、うん…」
私達はファミレスを出たが、生徒会長も家に来ることになり、お兄ちゃんは気を利かせたつもりなのか、生徒会長と一緒にバイクで家まで行くように言って、お兄ちゃんはこうちゃんと二人で車に乗った。
その時にこうちゃんと私は目が合ったが凄く不機嫌な顔をしていた。