秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
そんな二人の後ろ姿を見ていたら、電話が終ったらしいお兄ちゃんが私に話しかけてきた。
「サツキ!俺もう寝るな?やっぱ仕事してると疲れるし、睡魔には負けるから後はお前に任せるな!オヤスミ!」
「うん、オヤスミ!」
お兄ちゃんは私の頭を撫でると自分の部屋に行った。
生徒会長とこうちゃんは、お兄ちゃんが居ない事にも気づかずにゲームに夢中だった。
「なぁ、そろそろ止めないか?」
「ダメだ!俺が勝つまで止めない!」
なんだか生徒会長が可愛そうになり、私はこうちゃんに言った。
「こうちゃん!誠が困ってるでしょ?
そんなに悔しいなら私がこうちゃんの代りに誠と勝負して勝ってあげる!」
「俺が負けんのにお前が勝てるわけねぇだろ?」
こうちゃんは私を馬鹿にしたように言った言葉にイラッとした私はこうちゃんを睨みつけて言った。
「ああっ?私が負ける訳ねぇだろ?
ちょっと貸せやコラ!」
「えっ?ああ…」
「誠!やるぞ!?」
「お、おお…」
私はコントローラーをこうちゃんから奪うと、テレビの画面を見ながら生徒会長と格闘ゲームを始めた。
そして数分後…
「ま、マジかよ…」
「だから言ったでしょ?私が負ける訳ないって!」
私はドヤ顔でこうちゃんに言ったが、こうちゃんはまだ驚いていた。
「お前ってゲーム好きなのか?」
生徒会長が私に言った。
「好きと言うかたまにお兄ちゃんに相手させられてて、勝てなくて悔しかったから、一人で練習してたからじゃないかな?
さっ!もうゲームは止めるよ!」
そう言って私はゲームの電源を切って片付けた。