秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
「サツキ、二人であれ撮ろうぜ!」
私が一人、ドキドキしていると、こうちゃんが急に私の手を引っ張ってプリクラの方へと引っ張って行った。
お兄ちゃんはトイレに行ってるし、だけどこうちゃんは誠を無視して私を引っ張って行く。
「ちょ、こうちゃん!ま、誠がっ!」
「俺はお前と二人で撮りたいんだよ!」
何だかその顔は不機嫌だけど、どこか切なげで私は何も言えなかった。
プリクラ機の中に入って、こうちゃんがお金を入れた。
「後はサツキが選んで…」
「う、うん…」
私は選びながらも誠の事を考えていた。
そして二人で写真を撮ろうとした瞬間だった。
プリクラ機の中に突然、誰かが入ってきて、振り向くとそこには誠が居て、その瞬間に私の目の前には誠の顔があり、私は誠にキスをされていた…
何が起こったのかも理解できない程に、突然のキスに私は頭が真っ白になりそうだった。
初めてのキス…
私は目を開けたまま誠をじっと見つめた。
カシャッとシャッターの音がして、ハッとなった瞬間、私はこうちゃんに凄い勢いで後に引っ張られた。
「テメェ…邪魔すんなよ!」
「自分の女を勝手に連れて行ったのはお前だろ?邪魔してんのはそっちだろ?」
「ふざけんなよっ!俺は昨日の夜に言ったよな?例えお前らが付き合ってようが関係ないし、俺はサツキが好きだ!」
「俺だってサツキが好きだ!」
二人は今にも殴りそうな勢いだった。