秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
「よしっ、出来た!」
私はお皿にご飯を入れてカレーをその上にかけて、四人分、テーブルに運んだ。
「出来たから皆で食べよ!」
皆は返事をして席に座った。
「頂きます!」皆でそう言って食べた。
「旨いな!流石俺の妹だ!」とお兄ちゃんは言った。
「まぁまぁ旨いな?」と続けてこうちゃんが言う。
そして一口食べた誠は固まったまま動かない。
もしかして口に合わなかったのかな…。
少し不安になってるとお兄ちゃんが誠に言った。
「どうした誠?ってか何でそんな泣きそうな顔をしてんだっ!?」
「こんな…旨いカレーを食べたのが初めてで。
俺の両親は仕事ばっかりで家に居る事の方が少なかったし、母親の手料理とか食べた事がなくて、家の事はお手伝いがしてくれてたし、料理も確かに見た目とか味は美味しいのかもしれないけど、家庭の味を知らない俺は、このカレーが凄く美味しくて…。」
誠だって寂しかったよね…
私に出来る事は料理くらいだし、明日から誠に弁当を作って行こうかな?
私達からしたら当たり前のようにお母さんの作ったご飯を食べてたけど、誠は違ったんだもんね。
だけど両親の事も理解はしてるから、甘えたいときも甘えられずにいたんだよね。
「誠…よしっ!週末は誠さえよければ俺んちに飯を喰いにこいよ?
どうせ土日はサツキと一緒に居るだろ?
俺は週末は伊織と出かけたり、帰ってきても帰りが遅いか、伊織の家に泊まったりとかしてるからサツキも一人で寂しいだろうしそうしろよ?」
「はい…」
皆はカレーをおかわりをして食べた。
「そう言えば光輝は高校は何処に行くんだ?」
「俺?面倒くせえから高校は通信制にして、バイトするよ!」
「おじさんは納得してんのか?」
「ああ!高校を卒業してくれるなら通信制でもいいと言ってくれたんだ。」
「そっか!バイトしながら学校も大変かもしれねぇけど頑張れよ?」
「うん!それにお金貯めて、バイクの免許も取りたいしね!」
何だかこうちゃんらしいかもしれない。