秘密の放課後〜彼には裏の顔がある〜
カレーを食べた後は、お兄ちゃん達は暴走族に入っていた時の写真を見て思い出話に花を咲かせていた。
私はその間にお風呂に入って、上がるとまだ三人は話していた。
時計を見ると夜の八時になっていた。
「じゃあ俺はそろそろ帰ります!」
「もう帰るのか?」
「はい!明日も朝が早いんで!
じゃあサツキ、明日は朝に迎えに行くから勝手に一人で行くなよ?」
「うん」
そう言って誠は帰っていった。
「じゃあ俺は今から風呂に入るから!」
シャワーを浴びたお兄ちゃんだったけど、明日も仕事だしお風呂に入ってゆっくり浸かりたいみたいだ。
今日だけは私とこうちゃんを二人にしないでほしかった。
でもお兄ちゃんがお風呂に入った今、私はリビングにこうちゃんと二人きりになった。
だけど二人きりになると何を話していいのか分からなくて私はキッチンに向かい、洗い物を始めた。
私が洗剤で洗っていたらいきなりこうちゃんが後から抱きしめてきた。
「こ、こうちゃんっ!」
「なぁサツキ…俺はお前に本気だから!」
そう言われたと同時に私は向きをかえられ、こうちゃんは私にキスをしようとしてきた。
だけど私は避けた。
「やだっ」
「そんなに誠が好きなのかよ!
だけど俺は諦めないからな!ずっと忘れられなかったんだ!そう簡単に諦められるかよ!」
そう言ったこうちゃんは帰って行った。
胸が苦しくて…だけど私はこうちゃんの想いに答えられない。
やっぱり私はこうちゃんの事は幼馴染で兄妹のようにしか思えないからだ。
だから余計に胸が痛かった…。