兄妹ものがたり


「あ、あのね!もしあいつと気まずくなったり、喧嘩したりしたら…その時はあたしがなんとか」

「バーカ」


コツンと額を小突かれて思わず目を見張ると、優しい眼差しの彼がこちらを見つめて微笑んでいた。


「お前がそんなこと心配するな」


ふと…ななの言葉が胸を過ぎる。
確かに、少し心配しすぎだったのかもしれない。


「あ、あのさ……」


俯いて小さく呟くと、彼が首を傾げたのが横目に伺えた。


「もうコソコソしなくてもよくなったら……手、とか繋いでデート…してみたい」


気恥かしさに、堪らずブランコの鎖を強く握り締める。


「うん、そうだな」
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