兄妹ものがたり
追加で注文した唐揚げを摘んでいると、二杯目の烏龍茶を飲んでいた先輩から鉄拳制裁をくらった。
「先輩…舌噛んじゃいますから!」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ、俺は永田の代わりか」
押し上げた眼鏡の向こう、眼光鋭くこちらを睨みつける先輩にひるんで目に付いた水を一気に飲み干す。
「誤解です!確かにマサに断られた時は、ハレと二人で飲もうと思ったんですよ?けどもう三人で飲む気分になっちゃってたのでどうしても物足りなくて…考えた結果、久しぶりにアッキー先輩に会いたくなったという次第です」
「お前なあ…」
フルフルと震えながら段々と持ち上がってくる拳を、受け止めるべく両手を突き出し、なんとか穏便に収めようと言葉を続ける。