兄妹ものがたり
「でもほら、先輩に会いたかったのは事実ですから!マサなんかの代わりなんてとんでもないですよ、おれ達はアッキー先輩と飲みたかったんです!なっ、ハレ」
「…ささのさんなら、きゅうにレンラクしてもきてくれるからタスカルって……やまとくんが…」
「おいハレ、お前ほんとは起きてるだろ!」
幸せそうな笑みを浮かべて未だブツブツ呟いている晴人の肩を激しく揺さぶるが、その目が開く気配はまるでない。
「小沼、潔く頭を差し出せば一発で許してやる」
先輩の鋭い視線に射すくめられ、観念したように晴人の体から手を離すと、ギュッと目をつぶって歯を食いしばる。
その後、脳天を襲った激痛はしばらく収まることを知らず、手の平で優しくさすってみれば微かにコブができていた。
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