嘘とワンダーランド
「そんな大げさな…」

わたしは息を吐いた。

「いつもの調子で行けばうまく行くわよ」

そう言ったわたしに、
「そんなものか?」

京やんが聞いてきた。

「明日のプレゼンが成功したら、スイーツバイキングに行く約束を忘れていないわよ」

続けてわたしは言った。

「スイーツ…ああ、そんなことを言ってたな」

言ってたなって、当人が忘れてどうするのよ…。

そう言いたいところだけど、緊張をしている本人に向かって言うのをやめた。

先ほど課長が京やんがプレッシャーをかけたのに、わたしまでプレッシャーをかける訳にはいかない。

「いよいよ、明日なんだな…」

京やんは呟いた後、ミルクティーに口をつけた。
< 135 / 303 >

この作品をシェア

pagetop