嘘とワンダーランド
京やんが何を聞いてきたのか、一瞬だけわからなかった。

「えっ?」

どう思ってるって、どう言う意味なの?

質問の意味がよくわからなくて、わたしは首を傾げた。

「俺のことは、何にも思ってないのか?」

「そう言う訳じゃないよ。

京やんはいい友達だなって思ってるし…」

「つまり、男としては思っていないって言うことなのか?」

「いや、えーっと…」

男としてって、京やんは男じゃないの。

わたしよりも女子力が高いのはどうかとは思うけれど、京やんは男だ。

と言うか、京やんは一体何が言いたいんだ?

そう思って口を開こうとしたら、
「もう、そろそろ俺のことを見てくれないか?」

京やんが言った。
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