嘘とワンダーランド
呟くように反論したわたしに、
「何だって?」

課長が聞き返した。

「そんなの、わたしの勝手じゃないですか…」

聞き返してきた課長の質問に、わたしは答えた。

自分がこれからすることは、わかっているつもりだ。

夫――もう少し言うならば、上司に逆らおうとしている。

怖くないかと聞かれたら、そうじゃないと答える。

でも…もう我慢できなかった。

妻なのに、夫の考えていることがわからない。

お互いのプライベートには干渉しないと宣言したくせに、夫だからと言う理由で浮気を阻止しようとする。

結婚していることは秘密だと約束させたくせに、バレた方がいいとかそんな訳がわからないことを言う。

課長は何がやりたくて、何をどうしたいの?

もう訳がわからないよ…。
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