嘘とワンダーランド
7◇消えない罪悪感と打ち明けた気持ち
泣かせるつもりはなかった。

傷つけるつもりはなかった。

ただ、どうすればいいのかわからなかった。

課長の考えていることがわからなくて、課長の行動がよくわからなくて、怒りに任せてしまった。

自分の感情で、課長を責めてしまった。


分厚いカーテンを開けると、すでに顔を出していた太陽の光が部屋の中に入り込んできた。

「――今日で3日か…」

宿泊先のホテルの部屋で朝を迎えるのは、今日で3日目になった。

あの日以来、わたしはホテルに泊まっていた。

荷物をまとめて逃げるように会社を出た後、自宅に帰った。

スーツから洋服に着替えると、ボストンバッグに3日分の着替えをつめこんだ。

それから家を飛び出して、たまたま目についたホテルに泊まっていると言う状況だ。
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