嘘とワンダーランド
「まあ、そうだよな…」
課長はそう返事をして、わたしの髪の毛先に手を伸ばすと、それを弄んだ。
弄ばれるたびにクイックイッと毛先が引っ張られたけど、嫌な気はしなかった。
「事実、お前は意地を張ってた訳だしな」
課長は毛先から手を離すと、フッと笑った。
それから、大切なものを扱うようにわたしを抱きしめてきた。
「本当に、俺のことが好きなんだな?」
「はい、好きです」
わたしは課長の背中に両手を回した。
「正文さんも、わたしのことが好きなんですね?」
「ああ、若菜が好きだ。
好きだから、離婚したくない」
そう言った課長に、
「わたしもです」
わたしは言い返した。
ようやく打ち明けることができたお互いの気持ちに、わたしはホッと息を吐いた。
課長はそう返事をして、わたしの髪の毛先に手を伸ばすと、それを弄んだ。
弄ばれるたびにクイックイッと毛先が引っ張られたけど、嫌な気はしなかった。
「事実、お前は意地を張ってた訳だしな」
課長は毛先から手を離すと、フッと笑った。
それから、大切なものを扱うようにわたしを抱きしめてきた。
「本当に、俺のことが好きなんだな?」
「はい、好きです」
わたしは課長の背中に両手を回した。
「正文さんも、わたしのことが好きなんですね?」
「ああ、若菜が好きだ。
好きだから、離婚したくない」
そう言った課長に、
「わたしもです」
わたしは言い返した。
ようやく打ち明けることができたお互いの気持ちに、わたしはホッと息を吐いた。