嘘とワンダーランド
 * * *

課長に気持ちを打ち明けた翌日の昼休み。

わたしは京やんを会社から遠い喫茶店へと連れて行った。

「若菜から話があるなんて珍しいな」

キャラメルラテを口にした京やんが言った。

京やんがカップをテーブルに置いたことを確認すると、
「実は、ずっと隠していたことがあるの」

わたしは話を切り出した。

「何を?」

京やんが不思議そうに聞き返してきた。

心臓がバクバクと、うるさいくらいに早鐘を打っている。

半年間もずっと黙っていて、これから打ち明ける訳だから当たり前か。

自分の躰から聞こえる音を聞きながら、
「半年前にだけど…わたし、結婚したの」

わたしは京やんに打ち明けた。
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