嘘とワンダーランド
「実は来月、もう1度結婚式を挙げようと思うんだ」

そう言った課長に、
「えっ、そうなんですか?」

わたしは驚いて聞き返した。

「若菜、何にも聞いてなかったの?」

京やんが驚いたと言うように聞いてきた。

「今初めて聞いた…」

わたしは呟くように言った。

お金がないと言う訳ではないけれど、どうしてもう1回結婚式を挙げようと思ったんだろう?

今年の春に身内だけで結婚式を挙げたけど、何か不満があったのだろうか?

そう思っていたら、
「事情が事情で、身内だけで結婚式を済ませてしまっただろ?

今朝みんなにも宣言したし、何より若菜と結ばれて本当の夫婦になる以上、今度はちゃんと結婚式を挙げようと考えていたんだ」
と、課長が説明してくれた。
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