可愛い俺の仔猫ちゃん
次の日、空月の早い朝は空月が密かに予想してた通りになった。

「月陽、早く起きるんじゃないのか?俺もう行くよ」

「…いや。寒いぃ……」

「冬なんだから当たり前だろ?早く起きてくれないと困る」

そう言って布団を剥がすと、月陽はカタカタと震えて抱き枕を抱き締めている。

そんな月陽のおでこに手をそっと当てる。

「だから昨日風邪引くよって言ったのに」

案の定、発熱している。昨日の雪遊びのせいだ。

「頭痛い……」

「俺は看病してあげらないからね。とりあえず翔には連絡してある。それと、こうなることちょっと予想してたから俺が出発する時間まで余裕もあるけど、長くはいれない。熱計ろ」

体温計を当ててしばらくすると38.7度。高いの範囲だ。

「だいじょ、ぶ…空月、いってらっしゃい」

月陽はにこっと笑うけど余裕がなさそうだ。

「もう一回眠って?それまでここにいるから」

空月はそう言って妹のおでこに手を当て、そのまま頭を撫でる。

すると安心したように目を瞑る。

それから30分後、完全に眠った月陽を置いて家を出た。入れ違いで翔が来る。

「ほんっとにごめん!!」
< 18 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop