可愛い俺の仔猫ちゃん
「翔ちゃん…」

「あ、起きたか。何か少しでも食べれそう?とりあえず何かは食べないとエネルギーつかないからお粥でも作ってくるわ」

そう言って部屋を出て行く。

翔輝が作った卵粥を持って部屋に戻って来た時には、月陽はまた眠っていた。だけどそれは安眠とは言えない。

「おと、さ…ん、おか、あ、さ…ん…っ」

悪い夢と言うよりは悲しい夢。目を端から涙を流して、抱き枕を抱き締めていた。

「月陽、おい、月陽…!」

翔輝が体を揺するとはっと目を覚ました月陽。

「翔ちゃ…ふぇえっ…うっ…お父さんとお母さんが…っ、ふぅ…」

腕を目に当てて泣く月陽の体を起こして、自分もベッドに座り月陽をその膝の上に乗せる。

「よしよし…どうした?」

ポロポロと絶え間なく涙を流す月陽の背中を撫でて抱き締めてやる。

そんな時、月陽の携帯に着信が入った。

「空月だよ?俺先に出るぞ?」

「ん」

「もしもし」

『あ、翔?月陽が夜に電話しろって言うからしたけど寝てる感じ?』

「いや、起きてる。変わるな」

そう言って携帯を月陽に渡す。

『もしもし月陽?』
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