可愛い俺の仔猫ちゃん
「うん」

『体調は?』

「平気」

『何で泣いてるの?』

「な、泣いてないよ!」

『あっそ。まぁいいや、ちゃんといい子にしてるんだぞ』

「そんなに子どもじゃないよ」

『はいはい。じゃあ切るよ?』

「あ、空月!」

「何?」

「おやすみなさい」

「おやすみ」

そう言って携帯を切った。

「良かったな、電話あって。お粥食べれる?」

「ありがと、食べるよ」

翔輝の手からお粥を受け取って、ふーふーと息を吹きかけて口に入れる。

「…美味しい、ありがとう」

にこっと笑って食べ続ける。

全部食べた後、月陽はそのままくてんとまた眠った。

「可愛過ぎかよ…。無防備」

半ば呆れたようにそう呟き、自分の唇を月陽の唇につけた。

それでも起きる様子はない月陽。

「気づかれてませんように…」

次の日、月陽の熱は37.3度まで下がった。

「翔ちゃん、ホントにありがとう!もうだいぶ平気だからお家帰って大丈夫だよ」

「気にすんな。いや、熱がちゃんと下り切るまでここにいるよ」
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