可愛い俺の仔猫ちゃん
「俺が話す。空月君と月陽ちゃんのお父さんとお母さんはな…昨日出かけて帰る時に…その、事故に遭ったそうだ…」

「大変!お父さんとお母さん怪我してる?会いたい!」

事故をちゃんと知らない月陽が慌てたように言う。そんな姿を見て翔輝の母親はもっと嗚咽を漏らす。

「ちゃんと最後まで聞くんだ、月陽ちゃん。2人のお父さんとお母さんはな…昨日の事故で亡くなったんだ…」

亡くなった。その表現は5歳には難しかったかもしれない。

「亡くなった…?」

「死んだんだ…」

空月のわかっていない亡くなったにわかりやすい言葉で言う。

それでもまだわかっていないまま、黙りこくる3人。

「今から2人に会いに行こう…」

訳がわからないまま車に乗せられ、病院へ連れて行かれる。

そして霊安室に眠る2人の顔に当てられた布が外される。

「お父さん…?お母さん…?…ち、がうよ…ね?」

あまりにも酷い姿に混乱する月陽。

「これが空月君と月陽ちゃんのお父さんとお母さんだ…」

「お父さん、お母さん痛い?大丈夫?空月だよ、お家帰ろう?」
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