可愛い俺の仔猫ちゃん
「翔ちゃんんん、おはよ!寒いね〜」

玄関を出た少し右に待っていたのは翔ちゃんこと翔輝(しょうき)。170ちょっとの身長で染めてある茶色い髪がうまくセットされている。年齢は2人より1つ年上の高校3年生。

「月陽おはよ!」

そう言うと手を月陽の頭にポンっと乗せる。

「んふふ」

月陽は嬉しそうに顔を緩める。

「翔ごめんな!月陽が起きなくてさ」

歩きながら空月が翔輝に謝る。

「寝坊したの?髪の毛跳ねてる」

「眠かったんだもん、遅く来てごめんね?」

何も狙ってない、何も計算していない。身長が低いから自然に上目遣いになるだけ。

「ん〜〜、可愛いから許す」

「翔は月陽に甘い!」

翔輝は空月と月陽の幼馴染で2人の兄のような存在。

そんな3人は毎日一緒に学校に通い、顔を合わせない日はないと言っても過言ではない。

「しょうがないだろー、こんなんなんだから」

小さくてあどけなくて守ってあげたくなるような無垢で純粋な少女。もちろんそれは翔輝の目線である。

「こんなんってなんだよ!普通にただの女子だろ!?」
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