可愛い俺の仔猫ちゃん
夜の10時、翔輝は隣の自宅へ帰った。

「やっぱ家は落ち着くね〜〜。月陽、熱はもう下がったの?」

「うん、今日下がった!」

「じゃあまだ病み上がりだな。翔と何かあった?」

にやついて月陽に尋ねる空月。

「な、な、なないから!」

分かりやす過ぎる。

「月陽は翔のこと好きじゃないの?」

普通に真面目に質問をしてくる空月。

「…好きだけど、わかんないんだもん」

「わかんない?」

「恋愛とか…私、わかんない…。翔ちゃんは、ずっと一緒にいた家族みたいな人だから…」

「じゃあ、月陽」

「ん?」

「翔が月陽の知らない女の子と楽しそうに一緒に歩いてるの想像してみて?嫌じゃない?」

「んー…、嫌かもしれない。でも、私はそんなこと言っていい人じゃないもん…」

「でも嫌なんだろ?」

「多分…」

「付き合ってみるのもいいんじゃないの?」

月陽が変な男と付き合うよりは翔輝と付き合った方が自分も安心できるのだ。

「うーん…」

「難しく考え過ぎ。どうせ今の環境は変わんないよ。月陽と翔のいる時間が増えるだけみたいな?それに俺は何も付き合えとは言ってないからな?」

「うん」
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