可愛い俺の仔猫ちゃん
兄妹なんだから当然の反応。

「空月は兄妹だからわかんねーの。お前も可愛い顔してるよ」

「可愛いとか嬉しくないから!」

むっとした顔で眉を寄せる。

「カッコ良いって言われたいかもしれないけど、空月はカッコ良くない」

確かに顔は整っているけど、やはり可愛い分類なのだ。

一方、翔輝の方は学生らしさは残るものの色気のある爽やかな出立ち。女子からもよくモテる。

そんな登校時間を終えると3人はバラバラ。翔輝は3年生で空月と月陽は双子は文理違うのでクラスは離れている。

「おはよ〜〜」

月陽は教室に入って自分の席に座り、後ろの席の愛璃(あいり)に挨拶をする。彼女の中学の時からの友達だ。

「月陽おはよ!眠そうだね」

「すっごい眠い〜〜」

そう言いながら机に伏せる。

「授業寝ちゃダメよ」

愛璃は随分と大人っぽくて綺麗だ。くるくると毎日髪の毛を巻いてきて、濃すぎないメイクは女性らしさを引き出す。

「うーん、頑張る…。…ん?愛ちゃん、首の赤いの何?」

愛璃の首についているのは世間で言うキスマーク。男女が情事をした印。

「え、あ、これはね…蚊に刺されたの!」

キスマークを知らない純粋な少女にそう伝える愛璃。
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