可愛い俺の仔猫ちゃん
「やっぱ、何でもない」

「この前俺が好きって言った時の話?それをしようと思ったの?」

そう訊かれた月陽は静かに頷く。

「私も翔ちゃん、大好きだけど…でも、付き合うとかそういうのも恋愛とかよく分かんなくて…でも、翔ちゃんが他の女の人と付き合うのも嫌だし…」

「そっか…月陽」

「うん?」

「きっと、俺たちが付き合ってもね、今までと何ら変わらないと思う。ただちょーっとイチャイチャしたり、そういうのはあるかもね?でも、空月も含めて俺たちの関係は今もその先もずっと変わらないままだと思う」

「うん」

「月陽は可愛いから狙ってる男もたくさんいるんだよ?俺はそれが嫌だし、ムカつくし、俺のものっていう独占欲がある、俺のものじゃないのにね。付き合えば俺のものとして許されるかな、なんて。自己満足かな…」

ふっと笑う。花火まではもう少し時間がある。

「翔ちゃん」

「ん?」

「好き。翔ちゃんの彼女、なる」

翔輝を見上げてそう言った。

「月陽は良いの?他に好きな男とかいないの?」

「うん、いない。男の人は空月と翔ちゃんぐらいしかあんまり関わらないから…」
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