可愛い俺の仔猫ちゃん
できたスポンジケーキを冷蔵庫に入れて、後片付けをする月陽。

そうして次は晩御飯の準備に取り掛かる。ほとんどの家事は担当、朝だけは空月がやってくれる。

「上がったー。風呂行けよ」

空月が頭をタオルでわしゃわしゃと拭きながら戻ってきた。

「晩御飯できてるよ、食べたら行く!」

「ん、いただきまーす」

「いただきます」

「月陽はいつからこんなに料理できるようになったっけ…」

そんなことをボソッと呟いた空月。

「翔ちゃんのお母さんがたくさん教えてくれたの」

「そうだったね。いつもありがと」

「ど、どしたの、急に」

「別にー。翔輝も幸せ者だろうな」

そう言ってにやっと笑う。

「な、な…」

月陽は空月に何も言ってないはずなのに。

「わかりやす。いいと思うよ、俺は。月陽が変な男に取られるよりは翔の方が安心できると思うし」

「あ、空月は!!」

「俺は今のところそういうのないから」

空月に彼女が出来てしまえば3人の関係じゃなくなるかもしれない。

「そか…。空月に彼女さんが出来たら、私たちはこうやって過ごせなくなっちゃうのかな…」
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