可愛い俺の仔猫ちゃん
高校生の割には時給がよく、まかないつき、人気のレストラン。

経営しているのは涼(りょう)と彩(あや)の夫婦。厨房にはシェフも何人かおり、接客も2人以外に5人いる。

「はーい!」

月陽は返事をすると店の奥に入った。それに続いて空月も入って、この店専用のエプロンを着て、今まで働いてた人と交代する。

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

月陽の飛び切りの笑顔はこの店の看板でもある。

「えっと、こちらがふわふわ卵のオムライスです!」

お盆の食べ物を机に置く。

「え、これ頼んでませんけど」

「えっ、あっ…すみません!!」

急いで食べ物をお盆に戻して、厨房に戻る月陽。

「月陽!そのテーブルはこっちだよ!!」

空月に言われてそのお盆を急いでさっきの机に持って行く。

「すみません!こちらですね」

ペコペコと謝ってまた厨房に戻ってきた。

「空月ー…」

自分の失敗に大きな瞳をうるうるさせ、今にも涙が落ちそう。

「大丈夫大丈夫、失敗は誰でもあることなんだから泣くなよ」

ぐっと妹の頭を押さえて慰めてやり、自分の持ち場に戻って行く。
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