可愛い俺の仔猫ちゃん
祖母はそう言って、せっせと窓を閉め始めた。

「よし、これで大丈夫かしらね。あ、そうそう、空月君と月陽ちゃんはこっちに」

2人が案内されたのは6畳ほどの和室、真ん中には布団が2枚敷かれていて、小さなテレビと机が置いてあった。

「この部屋あまり使うことがないんだけど、今回役に立ったわ。2人一緒で良かったかしら?」

「うん、私は平気」

「俺も大丈夫」

「そう、良かったわ。もう時間も時間だし、暇だったらテレビつけていいからゆっくり休んで疲れを取りなさいね」

「おばあちゃんありがとう、おやすみ」

「おばあちゃんおやすみなさい!」

「えぇ、おやすみなさい」

外では雨がザーザーと激しく降っていた。

「雨やば……」

この家は自分たちが住んでいる家よりも雨の音が良く聞こえる。

「空月、テレビ見る?」

「んーん、見ない。寝る」

「おやすみ」

「うん、おやすみ」

寝ると決めて、消灯し布団に入る。2人の布団の間は20センチほど。いつもはベッドだけど今日は畳に敷いてある布団、違和感でなかなか寝付けなかった。

ーーーーゴロゴロ…

外では雷も鳴り出している。

「空月寝ちゃった?」
< 69 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop