可愛い俺の仔猫ちゃん
寝付けない月陽がそう訊ねても返事がない空月はもう既に眠っているらしい。

ーーーーゴロゴロ…ドーンッ

「きゃっ…」

大雨雷は父と母を亡くした日を思い出す。2人が帰って来なかった夜もこんな日だった。

それが原因で雷に恐怖心を抱いている月陽は布団にくるまっていた。

「空月ー…」

布団の中から手を伸ばしてちょんっと指でついても起きる気配はない。

雷は止むことなく鳴り続け、時にピカッと一瞬部屋を明るくする。

「早く止んで…っ」

布団の中で小さくなりぶるぶると震える。

「月陽」

その声がした瞬間にガバッと布団が剥がされる。

ーーーーゴロゴロゴロ…!

大きな雷の音とピカッと部屋を照らす稲妻。

「きゃあ…!」

起き上がって名前を呼んできた空月の首に咄嗟に巻きつく。

「怖いの?」

「こ、わい…っ」

雷が鳴るたびに抱きつく力を強くする。

「大丈夫、大丈夫だからちょっと離れて、苦しい」

月陽の背中をさすりながら落ち着かせて自分から離す空月。

月陽は布団の上で膝を抱えて座り、震えている。
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