可愛い俺の仔猫ちゃん
「目が覚めたから。月陽はまだ寝てる」

「昨日の雷は大丈夫じゃったか?」

祖父がそう訊ねる。

「俺は平気。月陽は怖がってたけど何とか眠れたみたい」

「そうか、それなら良かった。今日は墓に行くか」

「うん、行きたい。月陽も行きたいっていうと思うし。月陽起こしてくる」

遠くて滅多に来れない分もある。

いつものように布団を剥がして手を引っ張って起こす。

「おは、よ〜」

「おはよ。早く起き上がって、今日は墓参りに行くから」

「はーい。…空月、昨日はありがと。子供みたいでごめんね」

「いいよ、どうせ子供なんだから」

2人は身支度をして、祖母の作った朝食を食べて家を出た。昨日の雨のせいで土がぬかるんでいる。

「ちょっと街によってから行こうかの」

祖父の運転する車に10分ほど乗っていると小さな商店街が見えてきた。

「おはようございます!お?お孫さんですか!」

祖父母と商店街を歩いていると八百屋のおじさんが話しかけてきた。

「わざわざ遠いとこからこっちまで来てくれての、17歳の双子の孫じゃよ」

「「初めまして」」

「どうもどうも!雰囲気がよく似ていらっしゃる、美男美女ですなぁ」

田舎の八百屋のおじさんはとても元気だった。

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