可愛い俺の仔猫ちゃん
「おじいちゃん、味どうかな…?」

静かな祖父に晩御飯の味を訊く月陽。

「…悪くない」

「良かったー!」

安心したようににっこりと笑う。

「笑った顔、有希にそっくりじゃ…」

静かで威厳のあると思っていた祖父の目は少し潤んでいるように見えた。

「ふふふ、おじいちゃん、素直になりなさいな」

「…うむ」

実はとても涙脆いのかもしれないのかもしれない。

「月陽、良かったね」

「うん!」

その夜、父方と同じく、和風の平屋の家で畳の上に布団が敷かれている部屋が2人の眠る部屋だ。

「すっごく静かでなーんにもないの!でもね、私たちが住んでるとこよりも空気が澄んでて綺麗だよ」

『そうなんだ、楽しい?』

「うん、でもやっぱお家が好きかもしれない」

夜、翔輝とビデオ通話をする月陽。

『そっかそっか、しっかり楽しんでな?』

「うん!あ、空月寝ちゃってるみたい、そろそろ切るね。翔ちゃんおやすみ!」

『おやすみ』
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