可愛い俺の仔猫ちゃん
「返してこよ」

月陽は着替えて外に出た。

「寒〜〜〜〜〜〜」

コートを着てマフラーもしているのに外は肌を刺すように寒い。

「あ、月陽どこ行くの?」

外に出ると別のバイト先から帰っている翔輝に遭遇した。

「これ今日までだから返そうと思って」

「こんな時間に?危ないだろ」

「近いから大丈夫だよ〜。翔ちゃんまたね!」

手を振って、レンタル屋に向かって走る月陽。

「翔!!月陽見なかった!?」

また遭遇したのは月陽の兄だった。

「え?さっきレンタル屋に行くって…」

「はぁ!?まったく!うぅ、寒っ」

「てっきり空月が許可したのかと思ったんだけど?」

「んなわけないだろ!もういいや、寒いから家で待ってよ」

そう言ってまた家に戻ろうとする。

「空月!月陽1人で行かせて大丈夫なわけ?」

「近いから大丈夫だと思うけど。とりあえず俺は寒いんだよ!」

翔輝にとっては可愛い可愛い女の子なのだ。だけど兄の空月にとってはただの妹。シスコンでもないし、翔輝の心配する気持ちはあまり分かっていない。
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