可愛い俺の仔猫ちゃん
なるべく邪魔されないように高めに。


ボールは綺麗な放物線を描いてストンとリングを通った。


ーピーッ!


先制点は月陽のチーム。


「ナイシュー!月陽、頑張れぇえええ!!」


奏太の声が一際目立って聞こえる。


「愛ちゃんナイス!」


相手のボールを上手くカットした愛璃が味方のノーマークだった子にボールをパスする。


試合はどんどん白熱して、月陽は体が小さい分スピードのある俊敏な動きを見せた。


「え、鈴原さんかっこ良くね」


「俺も思った。去年クラス違ったからわかんなかったわ」


「見た目と大違いだな。あーー、ギャップに萌えそう」


そんな会話を聞いている翔輝は絶対に渡してやるもんかと心に思ったのだった。


月陽もどんどんゴールを入れ、また相手もゴールが入り、前半は20-23と月陽のチームがリードしていた。


「月陽ー!お疲れ!お前やべぇよ!愛華ちゃんもめちゃめちゃカットしてたし!!後半戦も頑張れよ!」


「うん!ありがと!」


「隣は隣で空月も試合やってるんだぜ」
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