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そう願って開けたドアの向こうに凛花の姿があった。
「…凛花…??ほん…とに、凛、花なの?」
6年前、あの日着ていた白のワンピース。ふわふわのロングヘアに目の下のほくろ。
本当に《凛花》だった。
そのふっくらな唇が動く。優しい、優しい笑顔で
「絢花お姉ちゃん」
そう呼んだ。
久しぶりのその感覚に熱いものが込み上げる。
「っ…!!」
私はいつの間にか凛花に抱きついていた。
そして、2人で笑い合う。
ーあの日に、戻れたら。
そんな事をどれ程思ったか。
いま、凛花と笑い合っている。
いま、凛花のその笑顔を見ることができる。
いま、凛花の温もりを感じることができる。
あの日々がどれ程幸せだったか。