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「じゃあね、凛花。」
「うん。絢花お姉ちゃん。いつまでも、見守ってるよ!!」
そう元気いっぱいの笑顔で答える凛花に、いつまでも私の自慢だったわたしの妹に、最後にこれだけ言わせて。
もう凛花に背中を向けてドアと向かい合う。
ー凛花。こんな私がお姉ちゃんで
「…‥ごめんね」
ーバタン
私の最後の謝罪は凛花に聞こえていただろうか。
でも確実に私はようやく一歩を踏み出せた。
大切なクリーム色のティディベアを抱きしめて、エレベーターに乗る。
するとティディベアの首に付けられたネックレスのようなものに目がいった。
その銀色のプレートには『世界一の絢花お姉ちゃんへ』と彫られていた。
「えっ…」
私は大切な妹を失くした。けど、その妹からのこれほどにまで愛おしい物をプレゼントしてくれた。
「…ありがとう…凛花。」