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他愛のない話をしていた時、カーテンの隙間から光が見えた。
「もう、ばいばい…だね…」
夏美は苦しそうな顔でそう言った。
「ねえ、優太。覚えてる?私達が出会った時の話。
ほら、優太と席隣だったじゃん?あの時、引き寄せられた気がしたの。
神様が、優太に会わせてくれたって、今もそう思ってる。」
「夏美…」
「でもね、優太。この先優太は社会人になって、好きな人ができて、結婚して、子供もできて、おじいちゃんになるの。
優太には未来がある。だからね、はやく、私の事、忘れなくちゃ…」
「夏美…忘れるわけねぇだろ!…忘れ、らんねぇよ…!」
夏美は震えていた。涙が綺麗な頬を伝う。
「優太、笑って?幸せに、なって?私の事、忘れなきゃ…!」
だんだんと夏美の姿が薄くなっていく。もう、時間がない。
「俺は!絶対忘れない…!夏美のこと!だから、そんな事、言うなよ…」
「お願いっ...!!....幸せに、なって...!!」