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朝が来た。
夏美はもう、そこにいなかった。汚いカーテンが静かに揺れている。
この教室にはもう俺しかいない。
風が吹いて俺の髪をなびかせる。
最後に聞こえた夏美の声。
…夏美のばか…幸せになってって...
「お前がいなきゃ...厳しいわ...っ俺が、お前を...幸せにしたかった...!」
俺は夏美に多くのものをもらった。
なのに
俺は夏美に何もしてやれなかった。
優太は恥ずかしげもなく、泣いた。泣きじゃくった。
脳裏によぎる彼女の顔、声、匂い....。
彼女はもういないのに、そこにいるかのように次々と思い出す。
本当に、好きだった。夏美のことが
「うああああああああああっっ!!ああああああああああああああああああああ!!!!」
大好きだった。