From
手術中のランプが消え、中から先生が出てきた。
「奇跡です。なんとか一命をとりとめることが出来ました。
あなたがすぐに救急車を呼んでくださったからです。
あなたのお陰です。ありがとうございました。」
『あなたのお陰です』 そう言われて照れくさくて、自分が必要とされた、ということがとても嬉しかった。
先生におばあさんの病室まで案内された。
「あ、あの、はじめまして。藤本玲奈です。」
「あら、はじめまして。あなたが救急車をすぐに呼んでくれたのね。
本当にありがとう。」
ぎこちない笑顔をつくっていると、思わぬ言葉を聞いた。
「ねえ、あなた。いま会いたいって思ってるでしょ?」
え…?それって、それって、パパとママ?