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家に帰る頃にはもう7時だった。
「ただいま。」
「あー、おかえり。なあ、母さんと父さんまだ帰ってないの?」
心臓が飛び出しそうだった。
「聡斗…?パパとママは、死んだんだよ。
…もう、帰ってこないんだよ??」
自分で言ったのにその言葉が自分に突き刺さってきた。
そうだ。パパとママはもういないのだ。
パパの優しい声も聞くことができない。
ママのおいしい手料理も食べれない。
聡斗は思い出したかのようにその場で黙って立っていた。
「あー。そうだった…よな。…会いたいよ…。
母さんと父さんに…俺、会いたいよお…」
聡斗が泣いているのを見て私ももらい泣きをした。
私だって…会いたいよ。でも、もういないんだよ。
泣いている聡斗から離れてパパとママの寝室に入った。
その瞬間、パパとママの匂いがした。
一気に涙が溢れてくる。
「…パパッ!!ママッ!!…会いたいよお…!!」
パパとママが毎日寝ていたダブルベッドにもたれかかる。
そして私はそのまま意識をなくすように眠りについた。