GOLD BOY〜不良彼氏〜



こんな場面で、こんな朝から、今から友達とボーリング行くっていうときに、


それは反則だろ!!


いくら何でも私のことを弄んでるんだろ!!



そうとしか思えない、得意の甘えた顔をする葵は、私の顔をどこまでも赤くしたいらしい。



私だって、そんな甘えた言葉言われたら、葵を無視してボーリングなんかに行けない。



それでも葵には、もう一つの作戦があったみたいで……。




「なあ、行くなよ」


「…」


「美鈴が寂しいって言うから、俺バイト辞めたんだけどなー…」


「…!」


「まだ続けたかったけど、美鈴が俺がいないと寂しくて死んじゃうって言うから―…」


「…わっ、分かったってば!」




アルバイトの話をこんな時に持ち出してくる葵は、こういう時には頭の回転が早いらしい。



てか、バイト辞めてほしいなんか言ってないのに、そう言われると私が言ったみたいで恥ずかしくなる。



寂しくて死んじゃうなんて言葉も言った覚えはない。


でも確かに、寂しかったしバイト辞めたのは私の所為らしいし。


反論は、まず出来なかった。



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