GOLD BOY〜不良彼氏〜
でも次に葵の口から出た言葉は、
「分かったって、何が?」
意地悪く笑いながら、私の顔を鼻をまだ付けながら覗き込む葵。
私はこの時、葵の前世は絶対に"悪魔"か"大魔王"だと思った。
だって、Sすぎる!
私に意地悪しすぎ!
何が分かったの?って一々確認しなくてもいいじゃん?!
たぶん、私はこの時目の前の葵を気にすることなく独り言を大声で喋っていたんだと思う。
「誰がSだって?」
目の前の大魔王様はお怒りの様子だった。
でも私は、お怒りを静めて話を流す方法を知っていた。
「分かったっていうのは、ボーリングには行かないってこと!」
「お、おう。……って、そうじゃねぇよ!お前今俺のことSって」
「さ!ゆずに断りの電話しよ!」
「おまっ…」
腕を掴まれそうになったのをサッと避けて、逃げるようにゆずに断りの電話をした。
葵は私が耳に携帯を当てると電話してるのが分かったらしく、大人しくソファーに座った。
煙草に火をつけて、煙が天井まで高く上がった。
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