GOLD BOY〜不良彼氏〜



菊哉が『賭けよう』と言って、まともな賭けをした覚えがない。



ましてや今回はボーリングで、悪友たちが数名も加わっての賭けだから良い予感はしない。



それなのに、葵はすんなり『賭けならやる』と"なら"まで付けて、やる気満々になってる。



ゆずも、以前の菊哉が言い出した賭け事のことを忘れてるようで、上着まで脱いで張り切ってる。



悪友たちも、みんなでハイタッチして盛り上がってる。



やる気がないのは、私一人だけ。




「まずは、チーム分けだな」




よく分かんない準備体操を全員でしながら、菊哉が呼び掛けるように言った。



チーム分けなんてやんの?

一人ずつじゃないのかよ。



てっきり一人ずつで戦うのかと思ってた私は、チーム分けと聞いてやる気が多少は出た。



私はボーリングが大の苦手で、今まででストライクを出したことは一回も無い。


むしろ、いや毎回、私がピンを倒した事は無く、いつもガーターばっかりだった。



だから、今回のボーリングでの賭けで私が勝てる確率は0%に近かったから、


やる気が出なかったっていうのも正直ある。




「ゆずと俺は同じじゃん?で、葵と美鈴も同じじゃん?お前らは勝手に決めてろ」




菊哉が悪友たちに面倒くさそうにそう言うと、


悪友たちはブツブツ文句を言いながらも、自分たちでチーム分けをしていた。



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